生活相談員の業務は、広く深く介護全般に携わるものであり、勤務先の事業所や施設に応じて異なります。例えば、とあるデイサービスにおける生活相談員の一日のスケジュールを例に挙げると、通所している利用者の生活を中心に、様々なサービスを提供することから、朝は比較的早く、8時過ぎには朝礼が始まることになります。生活相談員の仕事は、一人で完結するものではなく、利用者の状態や生活環境や家族など、介護に携わる人がチームを組んで、その全体で情報を共有していなければ、思わぬトラブルを招くこともあるのであり、特に大規模な施設になればなるほど、この朝礼における引継ぎや連絡が重要になります。
そして利用者を迎えるための送迎が始まります。その後は、到着した利用者の健康チェックや、入浴や、レクリエーションや運動など、1日のスケジュールに従って業務を進めて行きます。これらの日常的な業務の傍ら、新規に契約をする利用者との間における契約や諸々の手続きや、あるいはこれから利用を考えている人や家族などからの問い合わせに答えなければなりません。こうして忙しく午前中が過ぎると、昼食の時間です。施設で手作りの昼食が出される場合など、基本的には生活相談員も利用者と共に食事をすることになります。この食事の時間も、実は生活相談員にとっては業務を兼ねているのであり、注意深く一人一人の利用者の様子を見守っているのです。
食事が済むと、利用者の口腔ケアなど、午後にもやるべき業務はたくさんあります。レクリエーションや体操や歩行訓練などの合間に、担当者会議などが行われることもあります。午後4時になると、朝の送迎とは逆に、利用者をそれぞれの自宅まで送り届けます。
しかしその後にも、施設内の掃除や用具のチェック、そして申し送りなどがあります。これは利用者が明日も安全で快適に施設を利用することができ、また生活相談員や介護スタッフが明日もそれぞれの業務を円滑に進めることができるために、欠かすことのできないものです。こうして午後6時ごろ、書類作成などを済ませると、ようやく一日の業務が終わります。プライベートは自由な時間とはいえ、介護の現場に長く携わり続けるためは、生活相談員といえども体力も必要であり、日々の体力作りも欠かせません。
また現場における試行錯誤が大切なのは言うまでもありませんが、その他にも業務に関する知識やスキルの向上や、目まぐるしく変わる介護保険や事業運営に関する新たな知識の獲得のため、様々な研修会や講習会に参加して、情報収集や情報交換をするといったことも大切になります。
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生活相談員として働くための資格要件の中で、もっともハードルが低いのが社会福祉主事任用資格で、これが唯一国家資格ではありません。
生活相談員は幅広い業務をこなしながら介護職員と介護サービスを利用する人の間で架け橋となる役割として利用者をサポートします。
生活相談員が個々の専門知識や能力を活かすことのできる場として、老人福祉施設や身体障害者施設、精神障害者施設などが挙げられますが、中でも少子高齢化が急速に進む現代の日本において、需要が高まっているのが老人福祉施設です。老人福祉施設には、養護老人ホームや特別養護老人ホーム、あるいはデイサービスセンターなどがあり、生活相談員は、それぞれの利用者にとって最適な支援を実現するために欠かすことのできない存在なのです。